A Night At Birdland Vol.1
Art Blakey Quintet
これがジャズだ!
と、よく言われるアルバムがこれです。ハードバップ時代の幕開けとなる1954年のライブ録音。バードランドというジャズクラブで繰り広げられた、熱くて熱くてとにかく熱い、伝説の名演を聴くことができます。
アルバム冒頭、メンバー紹介をするMCピー・ウィー・マーケットの甲高い声からはじまるんだけど、この声が良いんですよね。観客とミュージシャンのボルテージをぐっ上げる、まさに名ナレーション。
ちなみにピー・ウィー・マーケットは小人症で身長が120cmほどしかなく、クラブに出演するミュージシャンたちに、しつこくチップをせびることで有名だったらしい。
チップを払わないミュージシャンを紹介する時は、わざと名前を間違えたりしたんだって。くせ者揃いのジャズマン相手に、ようやりますわ。
そんな彼の冒頭のナレーションは「Announcement by Pee Wee Marquette」というタイトルで、1曲目としてクレジットされています。メンバー紹介のナレーションが「曲」になるなんて、ジャズを感じるじゃあないですか。
それに続く2曲目「Split Kick」は本当にカッコよくて、ジャズに目覚めた当時のぼくは、この曲を何度も何度も聴きました。
クラブの熱気、ミュージシャンたちのほとばしるエネルギーが、スピーカーからびんびん伝わってくるんです。
そしてわずか26歳で亡くなる悲運の天才トランペッター、クリフォード・ブラウンのソロがとにかく素晴らしい。はじめて聴いた人は、ちょっと涙が出るかもしれません。
A Night At Birdland Vol.1 GXF3003(M)
- Art Blakey(ds)
- Clifford Brown(tp)
- Lou Donaldson(as)
- Horace Silver(p)
- Curly Russell(b)